大村大次郎『あらゆる領収書は経費で落とせる』の感想


2023年6月12日

【本の詳細】Bokshelf: あらゆる領収書は経費で落とせる

先日、大村大次郎の『あらゆる領収書は経費で落とせる』を読みました。

著者もこの本の中で述べていますが、現在の日本政府に税金を多く払うよりは他のことに使った方がましだと思われます。そして、税金をできるだけ減らすためには利益を調整することが必要であり、それを合法的に行うためには経費を調整することが有効です。

この本に書かれていることをそのまま実行するのではなく、自分できちんと調べることは必要だと思いますが、戦略的に経費を活用するにはどうすればいいかというヒントにはなると思います。

あらすじ

メモ一枚、「上様」、レジャー費用でもOK?経理部でさえ誤解する領収書のカラクリを、元国税調査官が解き明かし、超実践的知識を伝授する。経費の仕組みがわかると、会計もわかる。

究極の会計テクニック 第1部 経費と領収書のカラクリ(食事、飲み代、薄型テレビ、かるーく経費で落とせますディズニーランドに海外旅行…レジャー費も会社持ち車も家も会社に買ってもらおう!キャバクラ代を経費で落とす) 第2部 会計本に載っていないウラ知識(間違いだらけの会計知識経理部も知らない領収書の世界)

感想

会計の目的は利益調整

会計で一番大切なこととして、

それはズバリ「利益調整」です。

つまり、会計の目的は

「計画したとおりの利益」を出すことです。

と書かれています。

会社にとって重要なことは利益を大きく出しすぎず、法律違反にならない範囲でできるだけ節税することだというのは納得できます。実際、アメリカの新興企業やIT企業などは実効税率が驚くほど小さくなっています。

著者の書いているとおり、日本政府に税金を多く払ったところで正常な分配機能は期待できないので、資金を貯め込むのでなければ民間で回すのは善いことだと思います。

経費を制するものは会計を制す

著者は、

会計の知識の中で、実践的に最も役に立つものは「経費」に関すること

だと書いています。企業の大きさや業種にかかわらず役に立つのが「経費」の知識だからです。

そういわれると納得するしかないと思います。売上は経理とは遠いところで発生し、発生してしまったものは動かし難いですが、経費ならば計上する科目の調整で通したり拒否することもできるでしょう。

一定の手順を踏めば、ほとんどの領収書は経費で落とせる

食事、飲み代、自宅の薄型テレビ、愛人手当まで、ほとんどなんでも経費で落とす方法があるそうです。
しかし、これらの方法はかなり創造的でパズルのようなものだと思います。そのため会社の経営側だけではなく、従業員側もきちんと知識を持ち、戦略を理解した上で協力しなければ実行できないと思います。ですから、実際に書かれている方法を実行することは家族経営の小企業や個人事業主などでないと難しいのではないかと感じました。

まとめ

平成バブルは会社員が会社の経費を使いまくったことによってカネが回り、景気がすごく良くなったという側面があると思います。コーポレートガバナンスの強化が昨今のトレンドですが、法律に則った方法で経費を多く使っていけば景気刺激策になるのではないでしょうか。

馬鹿正直に高い税金を払うのではなく、どうせお金を使うのなら少しでも自分にとって良いことに使うというのはすごく資本主義的で良いと思いました。